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私はコンサルタントが嫌いだ

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経済・ビジネス
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コンサルタントの私が言うのもなんだが、私は、コンサルタントが嫌いである。

一般的に、戦略コンサルタント、業務コンサルタント、ITコンサルタントなどの、いわゆる経営コンサルタントは、ビジネスの専門家とされる者であり、顧客企業のビジネスを支援する。

しかし、彼らは、本当にビジネスの専門家なのか?

ビジネスに限らず、事物には「本質」と呼ばれる普遍的な特徴があり 、本質とは「その事物は何か」を規定する属性である。
だから、事物の本質を分かっていなければ、その事物が何かを分かっていることにはならない。

では、ビジネスの本質とは何なのか。
事物の本質は、事物からすべての偶有性(本質以外の属性)を捨象して残る属性だ。
そして、ビジネスからすべての偶有性を捨象して残る属性は「顧客に価値を提供して対価を得る」である。

よって、ビジネスの本質とは「顧客に価値を提供して対価を得る」という属性であり、ゆえに、ビジネスとは「顧客に価値を提供して対価を得ること」となる。

そうなるのだが、これでビジネスの本質とは何かを分かった気になるのは、まだ早い。
「顧客に価値を提供して対価を得る」は、「価値」の本質を分かっていなければ、分かっていることにはならない。
つまり、価値の本質を分かっていなければ、ビジネスの本質を分かっていることにはならず、ビジネスとは何かを分かっていることにはならない。

ところが、である。
人類は、古代ギリシャの頃から2000年以上も価値の本質を探究してきたけれど、いまだに定説はない。全体として、世の中は価値の本質とは何かを分かっていない。

その中で、普通のコンサルタントも価値の本質を分かっておらず、ゆえに「顧客に価値を提供して対価を得ること」、すなわちビジネスの本質を分かっておらず、よって、ビジネスとは何かを分かっていない。そんな彼らがビジネスの専門家であるわけがない。

しかし、彼らは、自分がビジネスとは何かを分かっていないということも分かっていない。だから、ビジネスとは何かを分かろうとすることもなく、ビジネスの本質ベースの考え方ではなく偶有性ベースの考え方ばかり持つ。
ゆえに、しばしば、企業がビジネスの本質から乖離した的外れな方向、いわゆるアサッテの方向に進むことを支援する。

なのに、コンサルタントは、ビジネスの専門家のつもりになって、企業のビジネスを支援しているつもりになっている。

そんな普通のコンサルタントが、私は嫌いなのである。

Good? or Not Good?