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知恵とは何か

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知識ではない知恵はないだろう。
他方、知恵ではない知識はある。
ならば、知恵は知識の一種であることになる。

では、知恵は知識のどのような一種なのか。
それは、知識には「価値を生む知識(情報)」と「価値を生まない知識(データ)」があることを踏まえた上で、知恵ではない知識を考えると分かりやすい(「知識とは何か」参照)。

知恵に「価値を生まない知識」と「低い価値しか生まない知識」は含まれないと考えられる。
ならば、知恵とは「高い価値を生む知識」であることになる。

対して、世の中はどう考えているのだろう。

辞書によれば、知恵とは「物事の道理を判断し処理していく心の働き。物事の筋道を立て、計画し、正しく処理していく能力」(デジタル大辞泉)である。

しかし、「知恵を働かせる」という言葉が成立する以上、知恵が「働き」であるとすれば「知恵を働かせる」ことは「知恵という働きを働かせる」ことになり、「働きを働かせる」ことはできないから、知恵が「働き」であるとの解釈は誤りとなる。

同様に、「知恵を与える」という言葉が成立する以上、知恵が「能力」であるとすれば「知恵を与える」ことは「知恵という能力を与える」ことになり、「能力を与える」ことはできないから、知恵が「働き」であるとの解釈は誤りとなる。

世の中は、知恵とは何かを分かっていないのだ。

なお、言うまでもなく、知識自体が客観的なものであっても、知識が価値を生むか否か、知識が生む価値の種類や高低は、人によって異なる主観的なものである。
よって、どのような知識が知恵で、どのような知識が知恵でないかは、人によって異なる主観的なものとなる。

しかし、概して「おばあちゃんの知恵」と呼ばれる知識は、多くの人にとって、ただの知識(価値を生まないか、低い価値しか生まない知識)ではなく、知恵(高い価値を生む知識)であるようだ。

一方、「おじいちゃんの知恵」というものは、まず聞かない。
おじいちゃん、分が悪し。

私も「知恵のないおじいちゃん」にならないよう、頑張らねば。

Good? or Not Good?

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